しあわせ住まいの座談会/レポート
しあわせ住まいLABO監修の物件 清瀬市の新築住宅
しあわせ住まいLABO監修のプランの家 年間数十棟を建設する当社の建売住宅ですが、このたび以前のレポートでリリースした『WIC(ウォークインクローゼット)は部屋の入口付近にあるのがよい理由』に基づいてプランニングされた住宅が着工しましたので、ご紹介いたします。 |
注文住宅とは違う建売住宅ならではのプラン |
今回は建売住宅ですので、基本的にお施主様の希望を叶えるというスタンスの注文住宅とは異なる点も、難しい側面の一つでした。ある程度想定されるユーザーに向けてアプローチしつつ、かつ狭めすぎずに販路を狭くしないようにバランスを取ることが求められます。尖っていることが必ずしも良いわけではなく、ただ単に「これがいい」という理由だけではプランは採用されないのが厳しいところです。 ターゲットを絞り込み、コアなユーザーに引き込む強力なマーケティングを行える会社であれば、斬新なプランの提案も可能だと考えていますが、その話題についてはここでは話の趣旨とは違うため、またの機会に譲りたいと思います。 |
洗練された意匠と動線に配慮 |
幸い、弊社の場合は暮らし方の動線という要素の優先順位が高いので、家事を行う動線や帰宅してからの動線など様々なシーンを想定し、それをパズルのように組み合わせてプランを構築してきました。 建売住宅は商品力が重要になってくるので、見た目という要素も蔑ろにはできません。いくら性能や間取りがよくても、見た目の印象が悪ければ、購入の対象から外れてしまうこともあります。そこで、こちらの建物では、モダンな印象の外観やリビングにおいてはおしゃれな印象が強いオープン式の階段を採用しています。「階段下の空間を有効に使うのであれば、オープン型ではなく、壁で塞いで物入れにしたほうがいいのに…」という意見もあったのですが、ここでは効率より情感を優先し、素直にかっこよさやおしゃれさを優先したことになります。
また、わかりやすいアイテムも商品力の訴求には重要です。LDKに繋がっているウッドデッキがそれにあたります。掃き出しの窓を開放すれば、そのままデッキへと連続的に空間が広がるので、まさに第2のリビング的な使い方を見ている人に容易にイメージしてもらうことができます。ただし、オープン階段にしろウッドデッキにしろ、見た目やわかりやすさだけではないので、使い勝手という要素からもメリットがあります。 たとえばオープン階段の下の空間は壁で塞がっていないため、LDKの空間がそのまま広く使えるということでもありますし、ウッドデッキに関しては寛ぎの空間としてはもちろん、子供の遊び場やクッションやスニーカーなどを干す場所にも使うことができます。ただ、情感に訴えただけのものではないように考えられています。 |
上の画像は物件の販売図面に載せられている間取図です。赤い矢印は帰宅してからの動線を表示しています。動線は2つ用意されており、1つは玄関をSC(シューズクローク)を通るもの、もう1つはホールを通るものになります。SCを通る動線は主に家族が使うことになるでしょう。お客様はホールを通るものを使ってもらうのですが、ちゃんと専用の手洗いを設置してあるのも抜かりのないところです。 キッチンは一般的なI型(横一線)のものではなく、コンロとシンクが分かれているⅡ型のものを採用しました。同じ作業スペースを獲得するのであれば2つ並べた方が有効ですし、作業する人にとっても移動距離の短さがメリットとなります。これも動線にこだわったものと言ってもよいでしょう。冷蔵庫は奥のパントリーに置くことで、キッチンの外からは見えにくい配慮となっています。 そして、「しあわせ住まいLABO」で取り上げたWIC(ウォークインクローゼット)を部屋の入口付近に配置しました。 収納空間などのウォークインクローゼットの位置については、居室のドアを開けた時に衣服などで煩雑になりがちなクローゼットの中を他人に見られるのを避けるために、部屋の奥に設ける傾向があります。しかし、実際に家族以外の他人が主にプライベートな空間である個室や主寝室に入るケースは少ないでしょう。いつ来るかわからない他人に気を使うより、毎日ここで暮らす家族が使いやすい場所に着目して、レイアウトを考える方がよいのではないでしょうか。 今回の住宅では、出入り口のすぐ近くに収納空間を設けました。上図のような間取りの場合、廊下からドアを開けてすぐにウォークインクローゼットにアクセスできます。これにより、就寝中の人の横を通る必要がなくなり、また、どちらかが寝ていても身支度をすることができます。さらに、収納空間の扉をつけないことで、開閉の手間や音を気にする必要もありません。 |
入口からWICをみたイメージ画像 |
居室とWICの位置関係を示した鳥瞰図 | ベッド側から入口をみたイメージ画像 |
不動産物件の魅力は建物だけではないがその要素は大きい |
不動産物件についての要素は、価格や場所(立地)などが絡んでくるため、単に建物だけが良いとは言えないのが現状です。しかし、物件の魅力要素として建物そのものの魅力が大きな割合を占めていることは確かなので、そこに住む人が「幸せに暮らして行ける」物件を提供していくのが大切だと考えています。 今回は、WICの位置や動線などのどちらかというと、機能性に焦点を当てていますが、今後は外観のデザインや情感に重点を置いた提案も行う予定です。 |
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