暮らし方使い方で変わる衣類収納空間~クローゼットについて考える <その3>

 

収納イメージトップ
夫婦と子どものいる世帯では片付けや整理の仕方がポイントに

【暮らし方使い方で変わる衣類収納空間~クローゼットについて考える】の<その3>になります。今回で、こちらのお題は最終回になります。
間取りを考えるうえで、衣類の収納空間は大切な要素の一つ。しあわせ住まいLABOでは、様々なケースを想定して作成した参考プラン等をご紹介したいと思います。今回は、5.夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)、6.一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)をご紹介します。

 

【想定した6つのパターン】
収納イメージ

  1. 夫婦二人共働き世帯 (それぞれのライフスタイルをもつ二人暮らしを快適に)
  2. 夫婦二人共働き世帯 (まるでハイブランドショップのような収納空間)
  3. 夫婦と子ども世帯 (モノを増やさない収納)
  4. 夫婦と子ども世帯 (「持ってけ」収納コーナーのあるプラン)
  5. 夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)
  6. 一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)

 

Plan05.
夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)夫婦と子どもと妻親同居世帯

夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<1F 間取図>

夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<2F 間取図>

妻の両親との同居をする二世帯家族(親夫婦、子夫婦、小学生の孫2人)をペルソナとして設定した『サザエさん二世帯住宅』の住宅に、ファミリークローゼットを組み込んでプランを作ってみたらこうなりました。
ここでは、「ゾーニング」と「動線」という2つの軸を踏まえて説明します。

夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<ゾーニング 1F >

夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<ゾーニング 2F>

サザエさん二世帯の共有ゾーニング
■3つのゾーン(親世帯、子世帯、共有)に区分し、更に共有ゾーンについては、収納、水まわり、ランドリーの3つに細分。
■1階は親世帯の生活空間をメインに、共有水まわり、共有収納ゾーン。
■2階は子世帯の生活空間をメインに、共有ランドリー、共有収納ゾーン。
■キッチンや風呂、洗面は2世帯共有なので1階に設置。
■シューズクロークやホール収納も2世帯共有なので1階に設置。
■洗濯物は2階のランドリースペースやバルコニーで干す。
■2階のファミリークローゼットには子世帯の衣類の他、親世帯の荷物等もしまうこともある。

 
夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<動線 1F > 夫婦と子どもと妻親同居世帯(サザエさん二世帯)<動線 2F >

サザエさん的二世帯の洗濯→干す→しまうの動線
■二世帯同居は洗濯物が多いので、天気の良い日は2階のバルコニー干しと、ランドリールーム干しを併用することでより多くの物干しのスペースを確保。
■天気の悪い時や花粉の季節などはランドリースペースにて部屋干しもできる。

■ランドリースペースは1階の親世帯も利用しやすいよう階段の横にし、物干しの内外併用も踏まえバルコニーに近い場所にレイアウト。
■来客時のことも考えて視界に入らないようロールスクリーンで目隠し対応可能に。

■ランドリースペースで干した後、子世帯はファミリークローゼットと各室の小さめのクローゼットへ収納。
■ファミリークローゼットは寝室の横でオープンであるため、子どもの友達が来てもプライバシーが保てるよう極力奥に配置。
■親世帯がファミリークローゼットを利用する際、階段からランドリースペースを通ることができる
動線も設定。

■親世帯は2階のファミリークローゼットでは使い勝手が良いとは言えないので、1階の親世帯ゾーンに親夫婦用のウォークインクローゼットを設けることで、2階に上がる負担を低減。

二世帯の特性上、玄関のちょっとしたクローゼットなど良いのですが、衣類の収納に関しては全員が使用できるファミリークローゼット的なものより、世帯ごとのクローゼットをそれぞれのゾーンのそばに設置する方が、結果的に便利で使いやすのではないかという想定でこちらのプランを思案しました。
参考にしていただければ幸いです。

 
Plan06.
一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)夫婦と子ども世帯 

Plan06.は一人暮らしの場合を想定してみました。
大まかなペルソナは、30~35歳のフリーランスの彼(彼女)。年収は同年代のサラリーマンよりは少し高めの設定です。

ストレスがなく充実した日々を過ごせる家でないと一人暮しの意味はないですよね。社交的な性格であっても、一人の時間を大切に過ごす事も大事です。誰からの干渉もなく、自分の時間が満喫できますが、掃除・洗濯・料理など、家事全般も一人でやらなければなりません。ものぐさな一面がある彼(彼女)にはとても面倒な作業です。少しでも楽に家事や行動ができる動線や、収納の仕方を考えた結果がこちらのプランです。

一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)<1F 間取図> 一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)<2F 間取図>
あくまでも『シンプルに』がコンセプト。
無駄をなくして心地よく暮らせるようにしました。玄関に入ってスグの場所は、仕事場とDIYができるよう土間仕上げ。窮屈にならないようオープンな吹抜けで開放感を演出しています。
今回のテーマの衣類の収納については、着替えと洗濯のプロセスをコンパクトな動線にまとめるために、浴室と洗面脱衣室、ウォークインクローゼットを主寝室と同じ2階にしてあります。
一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)<建物外観イメージ図>
コンセプトを具現化した外観もシンプルモダン。ホワイトを基調にアクセントにブラックを当ててコントラストの強い意匠。形状も普遍性を持つキューブ型のシンプルな造形にしました。

そして、今回のプランで一番のアピールポイントはコチラです。

一直線で洗濯→干す→そのまましまうの動線

めんどくさがりな彼(彼女)が効率よく動ける一直線な動線がポイントです。

洗濯機で【洗う】→すぐそばの物干しで【干す・乾かす】→上着はハンガーに掛けたまま、アンダー類はピンチハンガーのまま、ウォークインクローゼットに掛けて【たたまずにしまう】です。図ではちょうど左から右に向かっての流れになります。
一人暮らし世帯(洗濯物を干しっぱなしにできる収納)<WICには2つハンガーポール(ポールA、ポールB)>

ウォークインクローゼットの循環型収納の一例
クローゼット内には2列のハンガー用のポールがあります。例えばめんどくさがりの彼(彼女)は洗濯は週2回程度なので、週前半はポールAに掛けてある衣類を着て、週後半はポールBに掛けてある衣類を着るようにします。洗濯して乾いた衣類は空いた方のポールに掛けていく…という循環型の収納というわけです。

家の収納といえば家族がいる想定でつくる事が多いですが、一人暮らしの家の場合の収納は、なかなか見当たらないと思います。(そもそも一人暮らし用の戸建住宅というプラン自体が少ないかと思いますが…)
今回のプランの住人は一人暮らしの想定ですが、二人暮らしでも対応可能。一人暮らしの方はもちろん、若い夫婦から年配の夫婦まで、家をつくる際に、このプランが参考になったら嬉しいです。


メンバーに聞いてみたいことや相談などが

あればお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから

しあわせ住まいLABO|しあわせ住まいの座談会/レポート

ページトップへ